大麻と人間の関係は非常に長い歴史があります。考古学的な発見によれば、人類は最低でも8,000年前から大麻を栽培していたことが示されています。大麻は、繊維、食料、医療用途など、多くの目的に使用されてきました。
古代中国では、大麻が紀元前2700年頃から使用されていたとされています。中国では、大麻を傷口の消毒や疼痛の緩和、精神疾患の治療に用いていました。
古代エジプトでも、大麻が医療用途に使用されていました。エジプトの文書には、痛みの緩和や眼圧を下げる目的で、大麻を処方する医師の記述があります。
また、古代インドでも、大麻が医療用途に使用されていました。インドのアーユルヴェーダ医学では、大麻を痛みの緩和や炎症の治療、神経痛の緩和に使用していました。

日本の大麻の歴史は古く、奈良時代（710年-794年）には既に中国や朝鮮半島から輸入されており、縄や布などを作るために広く利用されていました。
また、平安時代には『和名抄』という書物に「麻」という記述があり、草木染めにも利用されたと考えられています。
しかし、日本での大麻の利用は次第に制限されるようになり、江戸時代には大麻取締令が制定され、大麻の栽培や所持が禁止されました。
明治時代に入り、欧米の影響を受けて麻薬取締法が制定され、大麻が違法薬物として規制されるようになりました。
その後も規制が厳しくなり、現在でも大麻の栽培や所持は厳しく取り締まられています。

アジアにおける大麻の歴史は非常に古く、多くの地域でさかんに栽培され、利用されてきました。インド亜大陸では、紀元前2000年頃から大麻の使用が確認されています。大麻は、アーユルヴェーダ医学において薬草として使用され、様々な病気の治療に用いられてきました。
また、中国でも、紀元前1000年頃には大麻が栽培されており、当時は、薬用や食用に用いられていました。また、紀元前500年頃からは、大麻を紙の原料として使用するようになり、後には織物の原料としても使われるようになりました。
東南アジアでも、古くから大麻が栽培されており、タイやベトナムでは、伝統的な医療において利用されてきました。また、多くの地域で、大麻は繊維やロープ、草履などの素材としても利用されてきました。
現代においても、アジア地域では大麻が栽培され、利用されていますが、各国の法律によって、その使用や所持が制限されることがあります。

アメリカの大麻の歴史は、先住民族が神聖な薬として使用していた時代から始まります。17世紀には、ヘンリー・ハドソンがニューヨークに到着した際、インディアンたちが大麻を煙草として使用していたことを記録しています。18世紀には、ヘンプ（大麻の一種）が製紙や繊維素材の原料として大量に使用されるようになり、アメリカの国益にも貢献しました。
19世紀には、大麻の医療的効用が広く認知され、多くの医師が処方する薬として使用されるようになりました。しかし、20世紀初頭には、大麻が危険な麻薬として規制されるようになり、1937年には連邦政府によって禁止されました。
その後、1960年代にヒッピー文化が興り、大麻が再び注目されるようになりました。1970年に制定された「麻薬取締法」により、大麻の所持や使用が違法となりましたが、多くの人々が大麻を使用し続けました。現在では多くの州が合法となってます。

EUの大麻の歴史は非常に複雑で、時代や地域によって大きく異なります。古代ギリシャやローマでは、大麻は医療用途や織物などの生産に使われていました。中世には、ヨーロッパで大麻の栽培が広まり、特に北ヨーロッパでは大麻が一般的に栽培されていました。
しかし、19世紀になると、大麻は薬物としての悪影響が指摘されるようになり、多くの国で禁止されるようになりました。20世紀に入ると、国際連合が麻薬規制に関する条約を制定し、EU諸国もこれに従い大麻を規制するようになりました。
しかし、近年では大麻の合法化や規制緩和が進んでおり、EUでも多くの国で医療用途や個人使用に限定した大麻の使用が認められています。また、EU全体で大麻の研究が進んでおり、今後ますます大麻の利用が広がっていく可能性があります。

インド: 大麻はインドの宗教的な伝統において、紀元前2000年ごろから使用されてきました。ヒンドゥー教の聖典においても、神シヴァが大麻の煙を嗜む様子が描かれています。また、アーユルヴェーダ医学においても、大麻は薬草として使用されてきました。
中華文明: 中国の古典文献には、大麻の使用についての記述が数多くあります。中国の医学書『神農本草経』には、大麻が薬として用いられることが記されています。
アフリカ: 大麻はアフリカの多くの地域で、食料や繊維素材として使用されてきました。また、精神的な儀式においても使用されてきました。
南米: 南米アンデス山脈地域では、大麻が古代から栽培され、衣服や繊維素材、薬として使用されてきました。また、ペルーにおいては、先コロンブス期のモチェ文化の遺跡から大麻が発見されています。

大麻と動物の関係は、人間と同様に長い歴史があります。植物の薬効を利用する動物の観察は、人類よりもずっと昔から始まっていた可能性があります。また、動物が自然に大麻を食べることもあります。
古代エジプトでは、馬に大麻を与えることが一般的でした。馬は大麻の茎を食べることができ、その効果によってエジプト人は馬を元気づけることができました。
また、古代中国では、家禽や家畜に大麻の種を与えることが一般的でした。これは、大麻の種に含まれる栄養素が、家畜や家禽の健康に役立つと考えられていたためです。

素材の歴史は古く、人類が大麻を利用していたことは数千年前から知られています。大麻は薬用や布の素材として利用されていました。
また、大麻は医薬品として使用されており、有名な医師ヒポクラテスは、大麻を腸の炎症や痛みに対する治療薬として記述しています。
繊維としても広く利用されていました。また、大航海時代には、大麻の繊維が船の帆やロープなどに使用されていました。
19世紀に入ると、大麻は薬として広く使用されるようになりました。特に、イギリスでは、ベンジャミン・ブロメ卿が大麻の鎮痛効果を発見し、医療用途として大麻が広く利用されるようになりました。
20世紀初頭で大麻が薬物として規制されるようになり、その後、多くの国で大麻の使用が規制されるようになりました。しかし、近年では、大麻が医療用途やレクリエーション用途で合法化される動きもあり、大麻素材の需要が再び高まっています。